今回は、不動産仲介の現場において近年急増している「海外在住の日本人が所有する空き家」の買収交渉について、大阪府寝屋川市であった具体的な成功事例を基に解説します。
事例概要:寝屋川市香里本通町における海外所有者との交渉
- 対象物件:大阪府寝屋川市香里本通町
- 物件の状態:築45年の木造平屋建て。約10年間空き家で、庭木が隣家に越境。
- 買主(相談者) :対象物件の隣にお住まいの個人(「庭木が越境してきて困っている。防犯上も不安なので、買い取って更地にし、自宅の駐車場兼庭にしたい」との意向)。
- 売主(所有者) :元々は寝屋川市出身。15年前にアメリカ・カリフォルニア州へ移住(米国の永住権を取得、実質的な現地在住者)。
実務プロセス:登記簿取得からオンライン交渉まで
海外在住の所有者相手の物件調査とアプローチは、国内の通常取引の何倍も手数がかかります。私どもが実際に踏んだステップは以下の通りです。
1. 登記簿(登記事項証明書)の確認と住所追跡
まずは物件の登記簿謄本を取得。所有者欄の住所は「寝屋川市香里本通町〇番〇号(対象物件そのもの)」のままになっており、海外の現住所は記載されていませんでした。
ここで私どもは、近隣住民への聞き込み(「数年前、アメリカから親族が荷物整理に来ていた」等の情報)を徹底調査。親族経由で、現在の売主様のカリフォルニア州の住所を割り出しました。
ここで私どもは、近隣住民への聞き込み(「数年前、アメリカから親族が荷物整理に来ていた」等の情報)を徹底調査。親族経由で、現在の売主様のカリフォルニア州の住所を割り出しました。
2. 国際郵便(EMS)による「ファーストコンタクト」
弊所の社名、宅地建物取引業者免許番号、隣地住民からの購入意向、そして何より「管理不全による近隣への影響(庭木の越境等)」
を丁寧に記載した書面を作成し、国際スピード郵便(EMS)にて送付しました。
あわせて、返信用の手段としてメールアドレスと、時差を考慮したオンライン面談(Zoom / Teams)の提案を記載しました。
あわせて、返信用の手段としてメールアドレスと、時差を考慮したオンライン面談(Zoom / Teams)の提案を記載しました。
3. 時差を考慮したオンライン(Zoom)交渉
EMS送付から約2週間後、売主様から「実家の管理に困っていた。売却に応じたい」とのメールをいただき、そこからはメールとZoomでの交渉に移行しました。
日本(寝屋川市)とカリフォルニア州の時差(通常17時間、サマータイム時16時間)があるため、日本時間の午前9時(現地時間の午後4時〜5時) に時間を設定し、物件の現在の写真(庭木の荒れ具合など)を画面共有しながら、現状有姿・境界非明示での売買価格の交渉を行いました。
日本(寝屋川市)とカリフォルニア州の時差(通常17時間、サマータイム時16時間)があるため、日本時間の午前9時(現地時間の午後4時〜5時) に時間を設定し、物件の現在の写真(庭木の荒れ具合など)を画面共有しながら、現状有姿・境界非明示での売買価格の交渉を行いました。
【実務の肝】重要事項説明・契約・決済の進め方と必要書類
海外在住者との不動産売買において、最もハードルが高いのが「印鑑証明書が出ない」ことと「本人確認・意思確認の厳格性」です。
1. サイン証明書(署名証明書)の取得
売主様は日本に住民票がないため、日本の印鑑証明書を取得できません。代わりに、在ロサンゼルス日本国総領事館等に出向いていただき、契約書や委任状に本人が署名したことを証明する「サイン証明書(署名証明書)」を2部(契約用・登記用)取得してもらいました。
2. 在留証明書の取得
住民票の代わりとして、現地の住所を証明する「在留証明書」も領事館で取得いただく必要があります。
3. 契約書の郵送往復とIT重説
重要事項説明は、買主様に対しては弊所の事務所(またはオンライン)で対面で行い、売主様(アメリカ)に対してはIT重説(画面共有による説明)を実施。
契約書はPDFで事前確認の上、まず日本で買主様が署名捺印した原本をEMSでアメリカへ郵送。売主様がサイン証明書と共に署名(およびサイン)し、再びEMSで日本へ返送してもらうという往復の手続き(約3週間)を取りました。
契約書はPDFで事前確認の上、まず日本で買主様が署名捺印した原本をEMSでアメリカへ郵送。売主様がサイン証明書と共に署名(およびサイン)し、再びEMSで日本へ返送してもらうという往復の手続き(約3週間)を取りました。
4. 決済(代金支払)と司法書士による「持ち回り決済」
海外在住者取引に慣れた司法書士を起用。決済当日は、事前に売主様から預かった登記必要書類(サイン証明書、在留証明書、パスポートコピー、登記済証など)が日本側に揃っていることを司法書士が確認。
その後、買主様(寝屋川市の銀行窓口)から売主様の日本の口座(または海外送金。今回は売主様が日本に維持していた口座)へ代金を着金させ、同日中に大阪法務局北大阪支局へ所有権移転登記を申請しました。
その後、買主様(寝屋川市の銀行窓口)から売主様の日本の口座(または海外送金。今回は売主様が日本に維持していた口座)へ代金を着金させ、同日中に大阪法務局北大阪支局へ所有権移転登記を申請しました。
さいごに:実務上の注意点(源泉徴収の落とし穴)
今回の寝屋川市の事例では、買主様が「隣地を買って自分の駐車場(居住用の一部)にする個人」
であったため、売買代金から10.21%を国税庁に納める「非居住者の源泉徴収義務」は免除
されました(代金が1億円以下で、個人が自己の居住用に供する場合の免責規定)。
もしこれが、「不動産会社(法人)が買い取る」、あるいは「個人が投資用(賃貸目的)で買い取る」
ケースだった場合、買主側は売買代金の89.79%を売主に支払い、残り10.21%を日本の税務署に源泉徴収として納付する義務が生じます。これを知らずに全額を海外の売主に送金してしまうと、買主側が税務署から追徴課税を受けるという、実務上極めて恐ろしい事態になります。
私どもでは、所有者が海外にいるケースでも、その国の法体系(公証人のサイン対応か、領事館の対応か)や日本の税法上のリスクを網羅した上で、取引の安全を第一に調査・書類作成を行います。
【寝屋川市密着】隣の土地や近所の空き地を買い買いたい方は、当社にお任せください
今回ご紹介した事例のように、隣の土地の買い取りは、決して「難解なトラブル案件」ばかりではありません。むしろ、「売りたいけれど、どこに相談していいかわからない」と困っている所有者様と、「敷地を広げたい」と願うお隣様を、弊所の丁寧な仲介によって結びつける「お互いにとってハッピーな取引」がほとんどです。
- 「お隣さんが高齢で、そろそろ土地を処分しそうだけど、どこに相談すればいい?」
- 「近所の空き地が売りに出される前に、直接交渉して駐車場にしたい」
こうした思いがある方は、ぜひ一度、寝屋川市で地域密着の営業を続けている弊所にご相談ください。
桜木不動産事務所は、寝屋川市内の土地特性や相場を熟知しています。名義人の調査から、お相手に不快感を与えないプロとしての誠実な売買交渉、そして安心・安全な契約書の作成まで、一貫してサポートいたします。
まずは「あの空き地、いくらくらいで買える?」というご相談だけでも大歓迎です。地元のプロに安心してお任せください。
